「しまなみ海道ウルトラウォーキング」は、広島県尾道市から愛媛県今治市までの約102kmを歩き切る人気の長距離ウォーキング大会です。
私は2025年10月に、この大会に初参加し、完歩することができました。
少し季節外れの暑さやアップダウンの多いコースで想像以上に過酷でしたが、しまなみの絶景とエイドのスタッフに支えられ、ゴールした瞬間の記憶は深く刻まれました。
本記事では、実際に歩いてわかった大会の概要・準備・コースの様子・完歩のコツ・感想をまとめて紹介します。
これから「しまなみ海道ウルトラウォーキング」に挑戦してみたい方の参考になれば幸いです。
- しまなみ海道ウルトラウォーキングの概要とコースの特徴
- 大会前の準備・練習・持ち物リスト
- 実際に歩いた体験記とリアルな感想
- 完歩するためのコツや注意点
しまなみ海道ウルトラウォーキングの概要
しまなみ海道ウルトラウォーキングのコース
第11回しまなみ海道ウルトラウォーキングのコースは下になります。
スタートは『尾道市民センターむかいしま芝生広場』で、ゴールは『今治城 吹揚公園』です。
橋を渡りながら因島、生口島、大三島、伯方島、大島を巡ってゴールに向かいます。
橋を渡るためのアップダウンや、島内の起伏によるアップダウンと、アップダウンが多いコースになっています。
また本大会は100㎞でなく、102㎞と少し多めの距離のコースセッティングになっています。
(102㎞コース以外に75㎞コースもあります)
完歩者数・完歩率
第11回しまなみ海道ウルトラウォーキングの完歩者数と完歩率は下になります。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
完歩者数 | 274名 | 89名 |
完歩率 | 86.7% | 83.2% |
完歩率は85%を超えているので、完歩しやすい大会だと思います。
大会前の準備と持ち物
大会前の練習や持ち物については、別記事を作成していますので、ぜひご覧ください。
持ち物などについて
練習方法などについて
しまなみ海道ウルトラウォーキングの感想、コースの様子
スタートまで
本大会は12時スタートで受付時間の終了時間が11時半となっていたので、前泊はせず当日の朝、大阪から移動することにしました。
大阪からスタート地点へのルートとしては、
新大阪→(新幹線)→福山→(JR山陽本線)→尾道→(渡船)→向島→(徒歩)→スタート会場
という感じです。

サイクリングする人も多いので、向島に向かう渡船はかなり混雑していました。
時間には余裕をもっておくのが良いです。
朝食は新幹線に乗っている中、弁当で済ませて、スタート前にさらにスポーツようかんでエネルギー補給をしておきました。
新幹線で食べた鶏太郎弁当は自分のおススメです♪
焼き鳥やから揚げなど、鶏肉が好きならイチオシですね!

スタートから第1エイドまで
12時、スタート会場である『尾道市民センターむかいしま芝生広場』から出発します。
混雑を避けるためにウェーブスタートになっています。
まずは西に向かって進んでいきます。
この道中、歩道はあまり広くないです。

そして海の見える場所へ。
この日は天気も良く、海を見ながら進むというのは気分が良いですね。

ここからしばらく海に沿って歩いていく感じになります。
景色を楽しみながら歩くと自分は疲れを感じにくいので、そうするように心がけています。
歩くのに集中してしまうと、100㎞ウォーキングは長いので、けっこう精神的にもキツイかなと…

今大会で最初に渡る橋、『因島大橋』です。

そしてスタートから第1エイドまでの最初の区間での一番の難所がやってきます。
それは、因島大橋へ行くための階段地獄。
頑張って登り切りましょう!


けっこうな段数があります。
途中で休憩されている方も見ました。
因島大橋は車道が上側で、自転車や徒歩の通路は下側になります。
日陰で風が通るので、涼しさを感じることができます。

因島大橋を渡ると、因島を歩いていきます。
途中、恐竜のモニュメントが出てきたりします。
(後で調べたらザウルくんっていうみたいですね)

さらにモアイ像もありました。

自分の見知らぬ土地で、こういうのを発見していくのもウォーキング大会の楽しみにしています。
とにかく楽しんで歩く、これが完歩のコツの1つだと思っています。
そして第1エイドに到着。
ここまでで16㎞です。

第1エイドでは、パンが支給されました。
エネルギー補給して、次を目指します!

第1エイドから第2エイドまで
第1エイドで少し休憩した後、生口橋を目指します。

生口橋へは因島大橋の時と違って、階段でなく坂道を上がる形になります。
坂道である分、ダラダラと上り坂が続く感じですね。

これから橋を渡るときには、ダラダラと長い上り坂を上がっていかないといけないです。
そして橋を渡った後は、下り坂が待っているという感じになります。
このように橋のアップダウンも足へのダメージとなるので、気に留めておきましょう!

橋を渡るために階段を上がらないといけないのは、最初の因島大橋だけです。
生口橋は車道の横を歩く形になります。

そして橋の上からは瀬戸内海の美しい景色が広がっています。

25㎞地点にはすごく惹かれるお店が…
でも我慢して先を目指します。

瀬戸田と言えば、やっぱりレモンですよね。
瀬戸田町観光案内所にレモンとみかん(?)のモニュメントがありました。

生口島の西側へ到達する頃にはすっかり夕方になっていました。
少し雲が多めですが、夕焼けがきれいです。


そして、第2エイドに到着。
第2エイドは瀬戸田サンセットビーチです。
ここまでで32kmとなっています。

第2エイドでは、おにぎり弁当と味噌汁をいただきました。
さらにレモネードもいただいて、エネルギー補給できました。

休憩中は、サンセットビーチの名にふさわしい、きれいな夕焼けを見ていました。


サンセットビーチで夕焼けを見ながら、弁当を食べるのは最高の休憩になりました!
第2エイドから第3エイドまで
第2エイドでの休憩後、まずは多々羅大橋を目指します。
多々羅大橋を渡るころにはもう日が暮れて、外は真っ暗になっていました。

多々羅大橋を渡っている途中、広島県と愛媛県の県境があります。

愛媛県に突入です。
ここまでで、約35㎞となります。
まだ約1/3ぐらいです。
まだまだ先は長いですよ~。
多々羅大橋を渡り切り、大三島に入ると、75kmコースとの分岐があります。
間違わないようにしましょう!

102㎞のコースでは、大三島を半時計周りでまわるようなコースになっています。
そして大三島はアップダウンの多いコースとなります。
急なアップダウンというより、ダラダラ上がって、ダラダラ下がるような感じです。
これがボディブローのようにきいてくる人も多いと思います。
さらに大三島では夜になり、街灯も少ないあるいはほとんどない場所を歩くことも多くなり、気分的にも沈んでけっこうツライという状況になります。

このような状況では、昼間のような景色を楽しめないですが、晴れていると星はきれいに見えます。

オリオン座がはっきりと見えてきれいでした。
暗い道をずっと歩いていると、ふと街明かりが見えるたら、なんだかほっとします。
下の写真は大三島美術館です。

暗い道を歩き続け、第3エイドに到着しました。

第3エイドでは、豚汁とみかんをいただきました。
第3エイドは55㎞地点になります。

第3エイドで休憩した後、飲み物を補充させてもらって、また暗い道を通って第4エイドへ向かいます。

エイドでの飲み物補充はかなり重要です。
自販機やコンビニがなかなか見つからない場合があるので…
第3エイドから第4エイドまで
第3エイドから約14㎞は大三島の中をまだ歩くことになります。
海沿いの道を歩くことになりますが、その時は下の写真の感じです。

実際に目で見えている景色はもう少し明るいですが、ただやっぱり暗い…
遠くに他の島のあかりが少し見えるぐらいの時もあります。
そんな時、道の途中で下の写真のものを見つけて、少し癒されました。

大三島の東側まで出ると、75㎞コースと合流になります。
そこからは102㎞と75㎞はゴールまで同じコースなので、102㎞と75㎞両方の参加者が一緒に頑張って歩くことになります。
次に渡る橋は大三島橋です。

大三島橋を渡ると、次は伯方島の中を歩いていきます。
伯方島は大三島よりは明るい場所を歩くことが多いかなという印象です。
しばらく歩くと、神社がありました。

神社の少し先には第4エイドがあります。

第4エイドでは、おにぎりとお吸い物をいただきました。(写真撮るの忘れてた…)
第4エイドは74㎞地点となっています。
このあたりに来るとさすがに足にダメージがきているな~という実感が出てきますね。
公式データでは、エイド別のリタイアの数が発表されていて、リタイア率はエイド3が1位、エイド4が2位となっています。
しまなみ海道ウルトラウォーキングの102㎞コースでは、アップダウンの多い大三島を突破できるかどうかが、完歩できるかどうかのキーとなっていそうです。

夜のツライ時間をどう乗り切るかが、完歩達成のコツの1つです。
自分は音楽を聴いたりすることが多いですね。
第4エイドから第5エイドまで
第4エイドを出発してしばらくすると、伯方橋と大島大橋の2つの橋を連続で渡ります。
まずは伯方橋です。

次に大島大橋です。

2つの橋を渡ると、大島へ上陸します。
大島は街灯のない道を歩くことあれば、比較的街灯のある明るい街の中を歩くこともあるようなコースになっています。
第5エイドに到着。
第5エイドは88㎞地点になっています。

第5エイドではスープ春雨をいただきました。


第5エイドでは、最後の橋である来島海峡大橋を見ることができます。
もう少しだな~という感覚になりますね。
第5エイドからゴールまで
第5エイドで休憩したら、あとはゴールまで進むのみです。
この区間では最初に来島海峡大橋を渡っていくことになります。
来島海峡大橋は来島海峡第一大橋、来島海峡第二大橋、来島海峡第三大橋と3つの橋が連なっていて、全長は4.1kmほどの長い橋になります。


長い橋を渡り終えると、とうとう四国に上陸となります。
とうとうここまで来たか~という感じになりました。
95km地点に差し掛かるころには、空が明るくなってきました。
空が明るくなってくると、一日中歩いているな~というのを実感します。

今治の街中に入ると信号が多くなってくるので、足に相当なダメージのある状態でのストップ&ゴーがキツイです。
今治市公会堂にある巨大なスクリュー。

そして、100㎞地点に到着。
残り2㎞!

今治市の市街地では今治国際ホテルが際立っています。
今治国際ホテルを1つの目標にして足を進めていきます。

さらにしばらく歩くとゴールのある今治城が見えてきました。
ここまで来ると、本当にあと少しだなという実感が湧いてきます。

そして、今治城の吹揚公園に入ってゴール!
しまなみ海道ウルトラウォーキングの102㎞完歩達成です。

今大会で100㎞ウォーキングは5回目の完歩達成となりました。
またタイムも距離が102㎞と少し長いにもかかわらず、過去最高となりました。

まさか過去最高のタイムが出るとは思わなかったです。
信号の少なさが大きくプラスになっているかもですね。
ゴール後
ゴール後は今治城近くのバス停から今治駅へ行き、今治駅の南西にある喜助の湯という温泉に入りました。
喜助の湯はゆったりできるリラックススペースもあるので、おススメです!


喜助の湯では、みかんジュースやバリィさん、みきゃんなどの手ぬぐいタオルも売っていました。
まとめ
しまなみ海道ウルトラウォーキングは瀬戸内海の景色を楽しみながら歩ける大会です。
信号も少なめなので、個人的にはかなりおススメの大会です。
ぜひ興味を持った方はこの『しまなみ海道ウルトラウォーキング』にチャレンジしてみてください。
データ
項目 | 内容 |
---|---|
大会名 | しまなみ海道ウルトラウォーキング |
距離 | 102km |
制限時間 | 28時間 |
特徴 | 絶景・橋を渡る感動・達成感 信号少なめ、アップダウン多め |
完歩時間(筆者) | 約19時間 |
おススメ度 | ★★★★★ |
完歩のためのコツ・攻略法
しまなみ海道ウルトラウォーキングを完歩するには次のことを気を付けておくと良いと思います。
- アップダウンの多いコースなので、普段の練習で坂道や階段を使ったウォーキングをする
- 自販機、コンビニがなかなかない区間もあるので、エイドでしっかり補充しておく
- 瀬戸内海の景色を楽しんで、歩くことに集中しない
- 夜は街灯の少ない暗い道を歩く時間が多いので、気分が沈まない工夫(イヤホンでテンションの上がる音楽を聴く、など)をする
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